対応バイアスとは?を日常の具体例を交えてわかりやすく解説します
「対応バイアスとはどういう意味?」
「対応バイアスを具体例を交えてわかりやすく教えてほしい」
最近では、心理学が一般的に広まったため、ビジネスや恋愛などで「○○バイアス」を取り上げることが増えました。
バイアスは、「偏見」「先入観」「思い込み」という意味です。
その中でも「対応バイアス」は私たちの日常に大きく影響しており、これを理解しているかどうかで、対人関係におけるストレスの大小が大きく変わります。
あなたも、全く見覚えのないことで人から言いがかりを言われた経験はありませんか?
実はそれ「対応バイアス」によるものかもしれないのです。
本記事では、対応バイアスの意味や具体例をわかりやすく解説し、思い込みや考え方の偏りを解消する方法もお伝えます。
思い込みが外れ、フラットに物事を見ることができるようになれば、人間関係の無駄なストレスや仕事での些細なミスが大幅に減るはずです。
この記事を書いている時点で私は、300件以上もの悩み相談に直接お答えしてきました。その知見・経験を活かして書いたブログやメールマガジンは、ありがたいことに多くの方に参考にしていただき、やりたいことが見つかった人や悩みが解決できた人がたくさんいます。
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1.対応バイアスとは?
まずは、対応バイアスの概要について見てみましょう。
意味と同義語を紹介します。
1-1.対応バイアスの辞書上の意味は?
対応バイアスは、英語で「Correspondence bias」と言われ、心理学の世界では以下の意味で使用されています。
帰属理論では、個人の行動が個人の特性、態度、または信念を守ることによって決定される程度を過大評価し、それに応じて、その行動に対する周囲の状況の影響を最小限に抑える傾向(たとえば、経済的または社会的圧力)。
この傾向は、他の社会よりも一部の社会でより一般的であるという証拠があります。
引用:アメリカ心理学会(翻訳ツールにて和訳)
もう少しかみ砕いてわかりやすくすると以下のような感じです。
- 他人の行動について判断する際に、実際の状況を軽視し、その人の性格・能力・個性を重視しすぎてしまうこと
- 他人が起こした行動について、行動の原因(たとえば、指示されたからやっただけ、など)を考えるより先に「相手がそれをやりたいからやっている」と決めつけてしまうこと
つまり、対応バイアスとは、相手を取り巻く環境や社会的な立場など外的な要因を軽視し、相手の性格・能力・個性・価値観など内面的な要因を過度に重視しすぎてしまう考え方の偏りのことです。
1-2.対応バイアスには複数の同義語がある
対応バイアスには、別の表現もあります。
以下の言葉はどれも同じ意味として使われているため、もし見かけたら「対応バイアス」のことだと認識してよいでしょう。
- 基本的帰属の誤り(根本的な帰属の誤り)
- 基本的帰属錯誤
- 基本的帰属エラー
- 基本的帰属バイアス
英語では、「fundamental attribution error」などとも言われています。
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2.対応バイアスとよく比較される4つの考え方の偏り
対応バイアスとよく比べられる他のバイアスもあります。
ここではよく挙げられる以下の4つのバイアスを紹介いたします。
- 1.行為者ー観察者バイアス
- 2.公正世界仮説(公正世界信念)
- 3.正常性バイアス
- 4.確証バイアス
2-1.行為者ー観察者バイアス
行為者ー観察者バイアスは、自分に起きた出来事やしなければならなかった行動について、過度に「状況のせい」にする考え方の偏りのことです。
対応バイアスは、他人の行動の原因を「本人のせい」と思いこむものでしたので、反対に捉える考え方とも言えますね。
ちなみに、行為者ー観察者バイアスや対応バイアスがかかってしまう原因は、自他を客観的に見られないことです。
人間は、自分を完全に客観的に見ることも、他人を客観的に見ることもできないからです。
私たちには、他者の自分に対する反応を自分の見方に合うように歪めてしまう強い傾向があります。
自分にとって都合の悪いことを周囲のせいにしてしまうことは、きっと誰もが一度は経験のあることでしょう。
その考え方の偏りを完全にゼロのすることは難しいですが、できる限り冷静にフラットに見れるよう、自他ともに客観的に見れるようになることは大切です。
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2-2.公正世界仮説(公正世界信念)
公正世界仮説(公正世界信念)とは、、悪いことをする人には悪いことが訪れ、よいことをする人にはよいことが訪れるという考え方です。
対応バイアスは、相手の良し悪しにかかわらず、相手の行動の原因を決めるものでした。
一方で公正世界仮説(公正世界信念)は、「悪いことをするとバチがあたる」「よいことをするのは正義」という公正さに重きを置いています。
自分に良いことをしてくれた人が悪い人のわけがない、と思いこむ認知バイアスとも言えるでしょう。
ちなみに、このバイアスを悪用するのが詐欺師です。
詐欺師は、先に相手にすごく丁寧に接し、自分に対しての印象を良くしたところで怪しい儲け話を持ち掛けてきます。
そういうときには、「この人は自分に対して親切だから大丈夫」と思い込むのではなく、客観的にその儲け話事態が大丈夫なのか冷静に判断する必要がありますね。
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2-3.正常性バイアス
正常性バイアスは、自分が予想していなかったできごとが起きたときに、脳が精神的なストレスを軽減させようと、その状況を正常だと認識してしまう考え方の偏りです。
本来であれば「異常」なことを、「普通」だと受け入れてしまうので、自分では気づかないうちに心身が疲労してしまいます。
たとえば、周りから見れば明らかに毒親から悪影響を受けているのに、「自分の親は大丈夫」「なんとかできる」と考えて、毒親から離れようとせず自分の人生を犠牲にしてしまう、みたいなことですね。
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2-4.確証バイアス
確証バイアスは、自分の考えや意見を正当化するために、都合のよい情報だけを集めてしまう偏りのことです。
そのため、科学的に示されている反論があったとしても、それを無視したり、受け入れようとしなかったりします。
特に、自分が最初に決めた意見や考えは、なかなか変えられないものです。
もっとよい考え方があったとしても、自分が最初に決めた考えを肯定するものばかりに目がいってしまう傾向があります。
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3.あなたにも経験があるかも!対応バイアスの具体例
対応バイアスがもっと身近にあるものだと認知するには、具体的な例で考えてみるのがもっともわかりやすいでしょう。
仕事と私生活の場面にわけて紹介しますので、ご自分ならどう思うかを考えながら見てみてください。
3-1.具体例1:仕事の場面
まずは、ビジネスの場面です。
対応バイアスがある人だと、以下の思い込みをしてしまいます。
- ミスをした人がいたとき
→「若いから」「いつもどんくさいから」などの理由で仕事ができないと決めつける
- 遅刻をした人がいた
→デスクも汚くてだらしないから、どうせ寝坊したんだろうと推測する
- 繁忙期なのにいつも定時で帰る上司がいる
→部下に仕事を押し付けて、上司はプライベートを優先していると思いこむ
しかし、相手の事情を知ると、別の事実や考えが見えてきます。
- ミスをした人がいたとき
→本当は他人のミスの後処理を押しつけられていた
- 遅刻をした人がいた
→余裕を持って家を出たのに、電車が事故で遅延して遅刻した
- 繁忙期なのにいつも定時で帰る上司がいる
→部下に負担をかけないよう、部下に渡す予定の仕事を家に持ち帰って片付けている
対応バイアスがあると相手に対していら依頼してしまう場面が増え、冷静に仕事をこなすことが難しくなるでしょう。
3-2.私生活での場面例
次に、私生活での例です。
こちらも、よくある景色だと思います。
- 芸能人の悪いスキャンダル報道を見た
→メディアでも言動が派手だから「この人なら仕方がない」と思いこむ
- お店でひどいクレームを言っている人を見た
→クレーマーは短気な人だと思う
- カフェで相向かいに座った人が自分にほほ笑んできた
→相手は自分に気があるのかも、と思う
どれも表から見た印象だけで、相手の心理状態や行動の理由を決めつけてしまっていますね。
しかし、事実を知ったらそのイメージもきっと変わるでしょう。
- 芸能人の悪いスキャンダル報道を見た
→大きなスキャンダル記事がほしい週刊誌のデマだった
- お店でひどいクレームを言っている人を見た
→お店の不注意によるミスで、客の大切な家族が命の危険にさらされた
- カフェで相向かいに座った人が自分にほほ笑んできた
→窓から入る日光がまぶしくて目を細めただけだった
対応バイアスにハマっていると、人は相手からもらう印象だけで相手のことを理解したつもりになってしまうので、注意が必要ですね。
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3-3.日本人の対応バイアスには傾向がある
他人の行動について、特にアジア人は、欧米に比べると「集団」を見て判断する傾向があると示したデータがあります。
原因の帰属に関する限り、欧米人が個人または個人的な特性への帰属を行うのに対して、アジア人は状況への帰属または集団への帰属が多いという全般的な傾向が示されている。
欧米人が個人に注目するのに対し、私たちアジア人は「これだから若い人は○○だ」「東京の人は★★だ」など、一定のタイプや型にはめて、相手のことを判断してしまう傾向があるのですね。
そのため、自分に対しても「どのコミュニティに所属しているか?」で価値を測るため、世の中で評価されている会社やグループから去ることやそこには入れないことを過度に恐れてしまうのです。
その結果、孤独に対して耐性が無さ過ぎたり、自分がやりたいことを我慢しすぎたりしてしまいます。
自分が納得できる人生を歩んでいきたい場合には、対応バイアスに縛られないようにすることが、特に日本人の場合は大切ですね。
4.対応バイアスによる問題を改善するには?
では、対応バイアスによる思い込みや、それによって発生する問題を防ぐにはどうしたらよいでしょうか?
心理学の世界で、有効だとされている方法を2つ解説します。
- 1.自分にも対応バイアスが存在していると認める
- 2.相手が抱える問題やそのほかの情報にも注目して推測する
4-1.自分にも対応バイアスが存在していると認める
対応バイアスによる思い込みを解消する方法の1つ目は、自分にも対応バイアスがあると認めてしまうことです。
どんなに客観的に周りを見ている人でも、対応バイアスがかかってしまっている部分はあります。
対応バイアスはゼロにすることがほぼ不可能で、あくまで人によって対応バイアスが大きいか小さいかだけなんですね。
しかし、「自分にも対応バイアスがあるかもしれない」と常に疑うことで、対応バイアスにハマることを防ぐことができます。
逆に、「自分は大丈夫だ」と思っている人ほど、対応バイアスにハマっていますからね(そもそも「自分は大丈夫」と思うこと自体がバイアスですから(笑))。
たとえば、瞑想して自分とゆっくりと向き合ったり、本を読んで狭まった思考を広げるトレーニングをしてみるのもよいでしょう。
細谷功『メタ思考トレーニング 発想力が飛躍的にアップする34問』PHP研究所、2016年という本は、「年賀状がたくさん来るのはどんな人?」などといった身近な問題を解きながら、自分の思考力・客観力を高められるのでオススメです。
1つの物事を多数の視点から見れるようになれば、相手が起こした行動も複数の選択肢を持って考えられるでしょう。
4-2.相手が抱える問題やそのほかの情報にも注目して推測する
対応バイアスによる思い込みを解消する方法の2つ目は、相手の状況を可能な限り想像してから推測することです。
たとえば、具体例の場面でも紹介した「ミスをした人」ならどうでしょうか?
- 相手の置かれている状況は?何をいつまでに終わらせようとしているのか?
- 過去に目立ったミスはあっただろうか?
- 本人の様子はどうだろうか?
- 誰かに相談している様子はあるか?
など、その場で起こりうるであろう、あらゆる状況を考慮してみます。
そうすることで、自分の認識に誤りがあるかもしれないと気づけるでしょう。
過去の研究でも、対応バイアスの消滅には、相手の情報に注意することが必要だと述べられています。
対応バイアスを消滅または減少させるためには、行動が起こった場面に関する情報に十分に注意を払わせ、意識的な推論をするよう促進するような手続きが必要であることがわかる。
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5.(まとめ)対応バイアスの存在に気づいたあなたは一歩リードしている!
本記事では、対応バイアスの概要や具体例をわかりやすく解説しました。
対応バイアスは、誰にでも存在し、誰でにも改善の余地がある考え方です。
もし人間関係での悩みや、思い込みが激しいなどの自覚があるなら、対応バイアスの存在を改めて自分で認めてみることをおすすめします。
自分を理解することは、自分の思考力を高めることにもつながり、それが状況改善への糸口にもなるでしょう。
自分を理解してから選ぶのと、思い込みを持ったままで選ぶのとでは、待っている結果も変わります。
ぜひご自分の理解(メタ認知)を高めて、より生きやすい方法で対応バイアスと付き合っていってくださいね。
対応バイアスや思い込みを外すには、大事なことがたくさんあります。
この記事の下で紹介している無料のオンライン講座でも「ネガティブな思い込みを外すコツ」をお話しているので、併せて読んでみてください。
【次ページ:1,191人が学んだ「やりたいこと発見メソッド」を、今だけ無料公開しています】
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この記事を書いた人
1986年生まれ、長野県出身、宮城県在住。
株式会社ジャストコネクションズ代表取締役。
2011年から副業でブログを開始。ブログ歴は10年。
独立後はコンサル業・通信講座事業も開始。得意の言語化力を活かし、多くの顧客の言語化力・説明力・文章力アップ、起業・副業による収入アップ、やりたいこと発見などをサポート。
2018年9月には法人化。
10年前から「自分のやりたいことで生きる」を実践。
今までの経験を通して、沢山の方の夢や目標を応援することが出来て、とても充実した日々を送れています。
私のプロフィール詳細はこちら↓↓
>>家庭崩壊、父の死、いじめ、裏切り、失敗を乗り越えた先で見つけたもの
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聞いていると、もうこれは自分だなってなりました。今まで行動はしたものの、なにか違う、ピンと来ない、燃え尽きるということばかりだったので、自分の常識だと思っていたことがみるみる破られていく感じでした。
本やセミナーでのもし〇〇だったら?という質問で興味関心が見つかったとしても、それがあなたのやりたいことです!みたいなのはどうも腑に落ちなくて、その理由がわかった気がします。
右手で書いた方がきれいな字が書けるのに左手で書こうとしている、という例えは非常に分かりやすくしっくり来ました。今やりたいことはいくつかあるのですが、私は右利きなのにどれのこれも左手でやろうとしているから上手く行かないことに気付きました。正直、半信半疑で登録しましたがここまでためになる話が聞けるとは思っていませんでした。登録して本当に良かったです。
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